英会話はメンタルも重要だと思った話

オンライン英会話のメンタル ブログ

皆さんは英会話の時、「話す相手や環境が変わると一気に話せなくなってしまう…」と感じたことはありませんか?

例えば、ネイティブスピーカーや自分より英語が流暢な人が同じ場所にいると、「緊張してうまく話せない」「知っている単語なのにパッと出てこない」といった経験があるかもしれません。

私は聞き返されたりすると「発音が悪くて伝わらなかったんだ…」と勝手に落ち込んだり、「私の英語の方が上手ね」などと思われるのではないかという不安から、英語を話すことが怖くなってしまった経験があります。

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猫沢
猫沢

あれ⁉ 伝わらなかった?私の発音が悪かったかな💦

それはもしかしたら、メンタルブロック(心のブレーキ)が影響しているのかもしれません。

私は今でも自分より流暢な人の前で英語を話すのはちょっと苦手ですが、心の持ちようを変えることでなんとかストレスを軽減し、少しずつリラックスして話せるようになってきました。

私が意識していたのは次の点です。皆さんの参考になれば幸いです。

※メンタルブロック:行動を起こす際に「自分には無理だ」「失敗するかもしれない」といったネガティブな思考によって行動が抑制される状態のこと

「英語が話せる=すごい」という思い込みを捨てる

日本で生活しているとなぜか「英語を話すこと=難しい」「英語が話せる=すごい」というイメージが刷り込まれていますよね。私も英語学習を始める前はそう思っていました。

ですが、言葉を「話す」ことに頭の良し悪しは関係ありませんし、学歴やTOEICのスコアが高くても英語が話せない人はたくさんいます。そもそも英語を話せるというのはその人の一つの側面で、それだけで人の評価が決まるわけではないですよね。

相手を評価する際に「目立つ特徴に引っ張られて、その人を過大評価(または過小評価)してしまう」ことを心理学用語で「ハロー効果」と言うそうです。

まずは、この固定観念を捨て去ることが英会話上達のスタートになります。

英語は勉強すれば話せるようになります。今はまだ練習時間が足りていないだけと思って気楽に行きましょう!

できなくて当然と考える

言語には「言語間の距離(Linguistic Distance)」という概念があり、日本語と英語は距離が遠い言語と言われています。

アメリカ国務省の関連機関FSI(Foreign Service Institute)では、外交官などの職員(英語のネイティブスピーカー)が外国語を業務で使用できるレベル(=上級レベル)に達するまでに要した平均的な時間を計測していて、その結果を4つのカテゴリーに分類して公表しています。

英語ネイティブにとって「カテゴリー4」がもっとも習得の難しい言語(習得までの学習時間:2200時間)ということになるのですが、カテゴリー4に該当するのは日本語・中国語・韓国語・アラビア語です。

英語ネイティブにとって日本語の習得が難しいように、私たち日本語ネイティブにとっても英語の習得は簡単なことではないということですので、「すぐに習得できなくて当然だ」と思っていた方がプレッシャーを感じることなく学習できるはずです。

ちなみに、上の図(参照:Wikipedia)は、比較言語学の観点から言語の親縁性をマップで表したものです。日本(日本語)や朝鮮半島(朝鮮語)などは他の言語との共通点が少ないことを表す「Isolated(孤立)」とされているのがわかりますね。

成長過程だと考える

皆さんは「できない人ほど自己評価が高い」と聞いたことはありませんか?

これは認知バイアスと呼ばれる心理現象の一つで、心理学者のダニングとクルーガーの研究結果によれば、「能力が低い人ほど楽観的で自分を実力以上に見積もる」「能力が高い人ほど不安が強く、自分を実力以下に見積もる」そうです。(※ダニング=クルーガー効果)

その原因は、能力が低い人ほど「メタ認知力」(自分を客観的に認知するスキル)が低いからと言われています。その能力について実際に学習や訓練を積んだ後でようやく、自身のスキル不足を認識できるというわけです。

例えば、英語が少し話せるようになると一気に自信が増して調子に乗ってしまうのですが、さらに深く学んで知見が増えると、英語の奥深さやレベルの高い人の存在に気づき、それまでの自信が崩れ去り、自分がいかに“井の中の蛙”だったのか理解できるようになります。

ここで挫折してしまう人も多いですが、そこを乗り越えて地道に成功体験を積んでいくことで真の実力がついてきます。「自分の英語は全然ダメだ」と落ち込まず、今は成長過程にいると理解してポジティブでいることを心掛けましょう!

完璧主義をやめる

英会話がなかなか上達しない原因の一つに、日本人特有の「完璧主義」もあるようです。

これは日本の英語教育が「英語でコミュニケーションをとる」ことよりも「試験でミスをしない」ことを重視してきたからと言われています。小さい頃からそのような教育を受けてきた私たちは、潜在意識に「ミス=悪いこと」とインプットされてしまっているので、間違いを恐れて英語を話そうとしないことがあったりします。

私自身も「間違って恥ずかしい思いをしたくないから、正しい文法で話せるものだけ声に出そう」としてしまう癖があります。

でも、ノンネイティブの人たちと話してみると、ほとんどの人がかなり適当な文法や訛りある発音で英語を話しています。おそらく、完璧でないからという理由で英語を話さないのは日本人だけかもしれません。

英会話は「完璧でなくてもよい」と考え、間違えてもよいので積極的に話してみることをおすすめします。最初は不安になったり恥ずかしいと感じることもありますが、何度か繰り返すうちに完璧主義が薄らいで、間違いなんか気にせず話せるようになってくると思います。

失敗を引きずらない

間違いを気にせず話そう!とは言いましたが、私は失敗を引きずるタイプです(笑)

自分の英語が伝わらなかったり、語彙の無さから失礼な言い回しをしてしまったりすると、思い出しては恥ずかしくなったり、悔しくなったり、自己嫌悪に陥ったりしてしまいます。英会話の度にこういう状態で自分的にもしんどかったので、この悪循環から抜け出したいと思っていたところ、「レジリエンスを鍛える」ことが大切だと知りました。

レジリエンス(resilience)とは、回復力や立ち直る力などを指す単語で、心理学的には逆境やトラブル、または強いストレスに直面したときに適応する精神力や心理プロセスのことです。

このレジリエンス度が低いと、失敗を過度に恐れていたり自分に過剰にプレッシャーをかけたりして、悪循環に陥ってしまうのですね。

「レジリエンス」はトレーニングで鍛えられると言われています。こちらの書籍でも解説されていますが、要約すると『自分の思考傾向を理解し、ネガティブな感情をコントロールするスキルを科学的に身につけていくことで、心の健康を保ちながら、ストレスや失敗を自分の成長に繋げていけるようになる』ということです。単なるポジティブ・シンキングではないというところがポイントです。

まとめ

シチュエーションによって英語がうまく話せないと感じる人は、まずはメンタルブロックが邪魔していると気づくことが大切です。

学習の継続とともに、そのメンタルブロックを少しずつ外せるように努力していけば、きっとリラックスして実力通りの英語が話せるはずです。

一緒に頑張りましょう!