語彙力は英会話力や試験のスコアを左右する重要な要素ですよね。英語のレベルアップを目指すなら、やはりボキャブラリーは多いに越したことはありません。
ですが、私は暗記がとても苦手です💦
世間では「こうすれば簡単に暗記できる!」といった記憶術的な本や記事がたくさん紹介されていますが、「所詮、地頭が良い人向けの勉強法だよね~」と感じ、私はすぐに挫折していました。
今回は、記憶力が悪く勉強嫌いな私でも続けられた英単語の覚え方をご紹介したいと思います。実際に活用した書籍やアプリも記載しますので、参考にしていただければ幸いです。
イメージと一緒に覚える
人間の脳は文字よりもイメージの方が記憶しやすいという特性があると言われています。英単語を覚える際にそのものの絵や映像を思い浮かべると記憶に残りやすいそうです。いわゆる「イメージ記憶術」と呼ばれるものです。例えば、冷蔵庫「refrigerator」という単語を覚えたい時には自宅の冷蔵庫を思い浮かべる…といった形です。
名詞以外の単語を覚えたい時は、短いストーリーの中で覚えていくのが効果的です。私はこちらの「イラスト記憶法で脳に刷り込む英単語1880」(あさ出版)を使って覚えました。
この書籍では、TOEICにも出題される1880の英単語にイラスト入りの短いストーリーが添えられていて、その通りにイメージしていくことで英単語を覚えやすく説明しています。例えば「支配する」という意味の「dominate(ドミネイト)」は、「ドミノピザを食べて寝ているだけで、国を支配している王様(支配者)」の絵を思い浮かべる、といったテクニックです。
書いて覚える
デジタルの時代になってから文字を書く機会は減っていますが、書いて覚えることも一理あるようです。これも脳の特性を利用したものになりますが、脳は五感をフルに使うことで記憶が定着しやすいそうで、例えば聞く(聴覚)といった単一の感覚より、複数の感覚を組み合わせたほうが脳に記憶が残りやすいそうです。
例えば、英単語を書いて声に出して読んでみることで、触覚(書く)、視覚(見る)、聴覚(聞く)、を使うことになるので、記憶に残りやすくなり、効率よく覚えられるということにもなります。自分で単語ノートを作るやり方ももちろん良いと思いますが、私は「でる順パス単 書き覚えノート」(旺文社英検書)を活用しました。
こちらは英検のレベル別に覚えておきたい単語が一覧化されているので、自分で単語を探す必要がなくて重宝しました。
文脈で覚える
文章を読む中で単語も一緒に覚えていくという方法もあります。単語を一つずつ覚えていくより効率が良く、文章からシチュエーションをイメージできるので、覚えやすいと言えます。ただやはり、読むだけではあまり頭に入ってきませんので、文の内容をイメージ化することが大切だと思います。
初心者の方におすすめしたいのが「日本人に足りないネイティブの英単語100」(草思社)です。ネコたちの楽しい冒険物語を読み進めるうちに、100単語の意味と使い方まで身につくという英語学習書。繰り返し文章を読み、英単語が文中で実際にどう使われているかを理解することで、単語の意味や使い方も自然と身についていきます。
音楽で覚える
洋楽が好きな人は、お気に入りのアーティストの曲から単語をピックアップして覚えてみるのも良いと思います。歌詞を見ながら、知らない単語を調べてみたり、一緒に歌ってみたりすると、覚えやすいですし、ネイティブっぽい発音も自然と身につきますよね。
洋楽ではありませんが、私のおすすめは英単語学習の鉄板「キクタン」シリーズのアプリです。アプリに収録されている項目の中に「チャンツ」というのがあるのですが、チャンツでは、軽快な音楽に合わせて英単語と日本語訳が読み上げられていきます。リズムが頭に残りやすく、気付いたら口ずさんでいたということがよくありました。あまり知られていませんが意外とおすすめできるツールです。下記でサンプルをご覧ください。
※チャンツ:音楽に合わせて英単語を発話することで記憶に定着させる学習メソッド
語源で覚える
語源学習法は、英単語をいくつかのパート分解して、そのパーツの意味から単語を覚えていく方法です。英単語も漢字と同じく、大まかに「接頭辞」「語根」「接尾辞」という3つの要素から成り立っているので、各要素が持つ意味を知り、それらに紐づけて英単語を理解していくというものです。
例えばこのような形です。
sta(立つ)+able(できる)=stable(安定した)
in(中を)+spect(見る)=inspect(検査する)
pro(前に)+ject(投げる)=project(映し出す)
部首の意味を知っていれば漢字を覚えやすくなるのと同じで、語源から関連した英単語を推測しやすくなります。派生単語も一緒に覚えられるのでとても効率が良いですね。
私が参考にしたのはベストセラーにもなった「英単語の語源図鑑」(かんき出版)です。本書では厳選された110個の語根が紹介されており、語源の知識と語彙をイラストを見ながら身につけていきます。100の語源で1万語が身につくとのことで、一冊覚えられればボキャブラリーも確実に増えるはず!
復習の回数やタイミングも大切
そうは言っても、使用頻度の低い単語や複雑な単語は一度では覚えらないことの方が多いと思います。
記憶に関する研究の第一人者として知られるドイツの心理学者ヘルマン・エビングハウスが導き出した「忘却曲線」によると、人間の脳は一度学習したことを1時間後には56%忘れ、1日後には74%、1週間後には77%、1ヶ月後には79%忘れてしまうそうです。
※エビングハウスの忘却曲線:一度覚えた内容を再度覚えるためにかかる時間の節約率(どれくらい減らすことができるのか)」を時間軸で表したもので、記憶のメカニズムに関係しています。
ですので、単語学習は一度で覚えようとせず、何度か復習して脳に記憶として定着させることが必要です。短期間に同じ情報が何度も脳に入ると、海馬は「こんなに短期間のうちに何度も入ってくる情報なら必要なものに違いない」と勘違いするそうです。つまり、一定期間の間に何度も復習を繰り返すことで勉強した内容が長期的な記憶になるという仕組みです。
また、脳科学の観点では、「覚える」時より「思い出す」時の方が記憶に残ると言われているので、「あの単語の意味、何だっけ?」と記憶が曖昧になってきたときに復習するのが良いかもしれません。
効果があったのはどれ?
効果的な英単語の覚え方をご紹介してきましたが、実際に一番効果があったのはどれなんだろうと思いますよね。
猫沢はどの方法が一番効果的だと思う?
単語学習法は人によって合う合わないがあると思うけど、私には「イメージで覚える」方法が一番合っていたかな。でも、英語のレベルが上がっていくにつれ、知っている単語も増えていくから「文脈で覚える」方法が効率的だと感じるようになったよ。
自分の学習スタイルやレベルに合わせて、これまでとは違うやり方に挑戦するのも良いってことだね。
そうだね。最近は洋画を観ながら知らない単語をチェックしているよ。私もまだまだ単語学習が必要だから頑張らないと~💦
まとめ
権威のある先生やTOEIC満点の方々がおすすめする勉強法でも、自分に合わないものは続けていてもなかなか成果はあがらないものです。まずは、自分が楽しいと思えるものや苦にならないものを選んでみてください。
どうしても続かないという方は、とりあえず1日3語だけやってみる、週末だけやってみる、通勤の時だけやってみる、などでも良いと思います。一緒に頑張りましょう!